【トピックス(講演会例)】

(1)2018年2月 フルードパワー工業会講演
サービタイゼーション(Servitization)の 潮流、 KOMTRAXの概要、KOMTRAXは どのように して生まれたか、市場導入から定着までの道のりなどについてご自身の経験から 解説された。 特に、“ メーカができたことの提供”から“ 顧客が必要なことの提供”へのシフトをいかに実現して行くかと言う観点からのご講演であつた。 今でこそ一般的になったIoTと言う単語だが、参加者の誰もが漠然としたイメージを持つている一方、IoTが一般的になる以前にKOMTRAX を発想。 開発、市場導入から定着までの道のりを解説され、新しい物を生み出す際に、GPSは必ず自動車で採用され低価格、精度向上を信じた人がいた、INNOVATIONには“ オモシロさ ” や“ 冒険、遊び心”そして“ 忍耐力”が必要などとまとめられ、参加者は熱心に傾聴した。(フルードパワー工業会会報より)

(2)2020年12月 アジア紙加工研究会「第2回 オンラインBizセミナー」(2020年12月16日)より
DXとIoT(Beyondコロナ~事業の未来は) [全文は添付PDFを参照ください]
アジアで活動する紙加工企業が集うコミュニティ「アジア紙加工研究会」(中山裕一朗代表)は、2020年からオンラインのセミナー・勉強会を定期的に開催している。今月号では昨年12月、DX/IoT/ICT運用コンサルタントの福村徹氏(テクノライフコム)を講師に招き、「DXとIoT」をキーワードに開催されたビジネスセミナーの概要を紹介する。
市場マクロ分析と日本製造業の現状
“第四次産業革命”の一要素であるDX/IoTの解説に入る前に、「産業革命」の変遷について簡単に振り返っていく。15世紀に活版印刷が生まれて「工業化」という概念が生まれた。第一次産業革命は、蒸気機関の発明、第二次産業革命は電気の利用拡大によって効率的な工業化が進んだ。第三次産業革命はコンピュータの登場。そして現在の第四次産業革命は、AIや5Gなどが代表的な技術と位置付けられ、IoT、ビッグデータ解析、ロボティクスというキーワードもよく聞かれる。
次に、日本の経済成長率の推移をみていく。1956年から1970年初頭までは。経済成長率は平均9.1%で推移した。この頃は、市場に流通する製品が少ないため、供給力と価格競争力が競争優位要因だった。当時の日本は固定費の安い国だったので、現在の中国のように輸出を拡大して成長を遂げていった。
その後、1974年から1990年初頭まで、経済成長率は平均4.2%程度で推移した。類似製品が増え、価格競争力(品質・機能)が競争優位要因となった。
1991年から2012年の経済成長率の平均は0.9%と言われている。この時期は、第三次産業革命から第四次産業革命への移行期と位置付けられる。では、コンピュータが登場した第三次産業革命は、日本の製造業の成長エンジンになったのだろうか。コンピュータで業務が効率化できたと言いながら、経済成長率は大幅に低下している。
経済学者のヨーゼフ・シュンペーターが“イノベーション”の概念を提唱したのは1912年。第三次産業革命や最近の“デジタルイノベーション”など、イノベーションという言葉が広がっているが、イノベーションは社会を幸福にしているのだろうか。
1990年代以降、経済成長が停滞しているのは日本だけではない。OECD(先進7カ国)の経済成長率は、共通して1%程度にまで落ちている。

日本製造業の市場環境
日本の製造業は、成熟市場となっている。あらゆる分野で類似製品群が乱立していて、競争力・差異化が困難になっている。日本企業は長らく、国内の技術仕様競争にしのぎを削るあまり、携帯電話に代表される “ガラパゴス化”し、グローバル競争に取り残されてる状況になってしまった。一般的には製品の仕様がコモディティ化(汎用化)してしまうと、低価格競争に陥ってしまう。すると、生産効率の悪さがグローバル競争力低下の要因となる。
コモディティ化と価格競争から脱却するためのキーワードとして最近言われているのが、「モノからコト=ソリューションの提供」だ。
「モノからコトへ」というキーワードについて、これまでの日本の製造業のモノ作りから説明する。今までの日本の製造業は、プロダクトアウト型だった。つまり、「メーカーは作ったものを売る」という発想だった。言葉は悪いが、自分の会社ができることだけを顧客に提供してきた。メーカーは、販売促進や営業テクニックを駆使しながら、自社製品(規格化した製品)をユーザーニーズに“スリ合わせ”しながらチューニングしてきた。この時代は“スリ合わせ”の得意なエース型営業マンが活躍していた人間臭いオモシロイ(昭和)時代ではあった。
ところが、“モノからコト”の時代では、「顧客が必要なことを提供する」というマーケットインの発想が必要になる。お客様を驚かせる、感動させるという“ユーザーエクスペリエンス(UX=顧客体験)“が求められるようになる。
マーケットインという言葉は昔からあった。しかし、その実態は「お客のところに行って御用聞きをしてこい」というものだった。私もサラリーマン時代は「顧客の課題をヒヤリングしたうえで、製品開発を行いなさい」と教育された。しかし今の時代は、顧客ニーズをヒヤリングするだけでは十分とは言えない。ヒヤリングをしたうえで、顧客の予想を超え、感動させること(感性価値)が必要になってきている。

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